水ねじ

もりもり音楽漬け休日。干瓢です。



不況の煽りで経営悪化、でもなんとか黒字です頑張りましょう、といういい加減見飽きた会社の広報紙を中途半端に読んでシュレッダーに掛ける。こんなご時世の中、本当に会社のためを思い頑張っている人はやはり成功するんだろうな、なんて思いつつ。僕は3年目になるけど、ただでさえ安い給料なのに、残業禁止、定時間削減の影響で貯まるものも貯まらずという感じで、会社のことを思いやるという発想は無く、それ以前でもがいている感じです。そんな悪条件の中妻子を養っている先輩とかを見て凄いなと。
ただ、そんな環境下早く帰れるので、その分自分の時間に多く裂く事が出来るというのはある意味ラッキーだったりもする。社会人のくせに学生の頃と同じか、それ以上のペースで音楽を作っているような気がする。結局は時間の問題ではなくやる気の問題なんだろうけど。
風呂に入って浴槽でブクブクやりながら思ったのは、社会人成り立ての頃のような「きれい事」を最近言わなくなったな、と言う事。「目先の目標だけではなく、何十年後を見据えた目標を掲げよう」とか、「何でも吸収し、俺海賊王になる」的な凄いビジョン。実際は納期通りに仕事をこなし、怒られながらも学習して製品を世に出すわけですけど、やっぱり使えない海賊はただの海賊だし、それを自覚しない海賊も然りで、そういう人は当然頼られず、堕ちていきます。という現実を見ていると、酒の席でしかそういう事を威張れなくなってしまうもの。
って言うのを自覚した上で、やっぱ「きれい事」は言うべきなんだろうと思う。



ついカッとなってFL Studioのバンドルシンセ5つ(Sakura、Morphine、Sawer、Toxic Biohazard、PoiZone)を買ってしまった。セットで買うと1万5千円近く安い上に、いま猛烈な円高であるゆえ、日本円にして約3万円前後。こりゃラッキ−。
DAWも成熟期に入り、重いベースや重圧なスーパーSawも少しの調理で手軽に鳴らす事が出来る時代になってしまったわけですけど、こういうシンセを買う度に必ず「SC-88Pro時代に聴いていたMIDI」を聴くようにしています。
ハチプロでスーパーSAWとか、限られたチャンネル3本重ねてようやく出るような凄く贅沢な音でした。EQの性能も大ざっぱで今のように手軽に使えたものではないし、フィルターもローパスしか無かったので、ハイパスのような音を出すためにはレゾナンスのパラメーター等を駆使して「それっぽく聴かせる」工夫が必要でした。ディレイの設定を弄るよりも、疑似ノートを配置したほうが綺麗に聞こえる、みたいな研究っぽいこととか、最近は殆どしていません。手軽にそれっぽい音が出てしまうので。
ただ、そういった工夫をしないでいると腕はどんどん落ちていく。一時期「8850で作られたこの音楽に僕は負けてるんじゃないのか?」と思ってハッとした事があります。通ってきた道のハズなんですけどね。
今じゃポンプでボゴゴゴとフッツーに水を汲み上げますけど、アルキメデスが水ねじを発明して水を汲み上げた時のような初心は忘れるべからず。そうでなければ単なる消費者になってしまう。


と思う昨今。とりあえず音楽作るか\(^o^)/